別所キミヱ69歳
パラ卓球選手。女子クラス5、世界ランキング7位(2017年11月現在)。
パラリンピック4大会連続出場のレジェンド。

3時間ものイベントの後だったのですが、さすがバタフライマダム、明朗快活にお話をされていました。

バタフライマダムこと別所キミヱ選手のおしゃれポイント

 もえことてもオシャレなバタフライマダム。蝶々へのこだわりを教えてください!
 キミヱ選手バタフライというメーカーのアドバイザーというか、契約させてもらっていて、そういう方に支援してもらったことがきっかけかしら。蝶々って幸せになるといういわれがあるやないですか。私も幸せになりたいし、みんなが幸せになれたらいいなと思ってバタフライをつける、蝶々のアクセサリーを髪の毛につけるということを始めたんよ。
最初は少なかったんです。控えめだったけど、これじゃあかんと思い、だんだんテンションが上がり、増えていったんです。
そして、ヘアスタイルにもこだわりがあるんです。試合の時は髪の毛を編み込みしていまして、敵をやっつける、取り込むということで編み込みを。最近は二つ結びで編み込みは上半分だけで、下半分は躍動感を出し、強さをアピールしています。
通常、ヘアアクセサリーとして頭につけている蝶々は40個。2020年に向けて20+20=40個なんですよ。
海外の方に、コミュニケーションの1つの方法として、ヘアアクセサリーを差し上げるので、増えたり減ったりしていますが、今のところ蝶々のヘアアクセサリーは100個持っています。
 もえここ、こだわりがすごい…!

女子トークなので聞いちゃいました、おしゃれポイント第二弾!

 もえこ勝負下着をお持ちと聞きましたが詳しくお願いします!

この質問をした瞬間、マダム大爆笑。

 キミヱ選手やだ〜も〜恥ずかしいわ〜。ある取材で、勝負下着について触れたら、選手村でも話題になったんです。そしたら、事務員さんなどが卓球に興味を持ってくださって、選手村に卓球台が増えたり、練習所が増えたんですよ!そんなこともありました(笑)。東京に来たら百貨店にいって下着を探しますが、最近いいものがないんです。来たらとりあえず下着と蝶々見に行くんですよね。原宿とか行ってみたいわ。特に、レースフリフリついているのがいい
 もえこ心の中で)めっちゃ乙女…可愛い…フリフリのレースの下着探し一緒に行きたい…!

真面目な質問もしました!

 もえこ東京2020大会まで、あと1000日となりましたが、今思うことは何ですか?
 キミヱ選手「私、今年70歳になるんです。でも、プレーする時は年齢を考えてないの。若かろうが年をとっていようがプレーする立場に立ったらそこはもう同一なんです。そこの国についたら、すでに心の中で勝つイメージ、コンディションが整っていて、自分のモードに入ります。だからアピールをすごいするんです。私が来ましたよーていう感じ、そこからもう私の中では試合なの。やって来たわよあなたたちやっつけるために、ってね。
最近、思うこととしては体が良くなったことかしら。最近頑張っていたらJリーガーのプロの整体師さんにお世話になることになったの。そうしたら右の足に力が全然入らないんです。本当ならば、足に力が入っているなどの感覚がわかるはずないのに、その感覚が付いて来た。卓球をするときの可動域が広くなって、全日アジア選手権でも銀メダルを取ることができた。そのことで心に余裕ができているんです。みんなが来ても全然いらっしゃいよという感じ。負けても勝負だから仕方がないけど、今とても楽しい。自分のプレーがどこまでできるのかなと思って、まだ伸び代があるなと思って、寿命より。あはははは。自分自身、踏ん張りがきく、そして楽しみが増えたんですね。
だからその、イメージを大事にするんです、私。感覚を、苦痛ではなく、体が柔らかくなるとそういうプレーができるんですよ、体がそれを覚えると自然と体が動くんですよ、そういう体になりつつあるかな、だから、これからが楽しみ」
 もえこそのパワフルなエネルギー、私も欲しい…!

バタフライマダムと呼ばれる所以、教わりました。

 もえこマダムの同世代へのスポーツ推進運動などは?
 キミヱ選手いや、私はそういうことはしない。ご存知かもしれんが、私の腰にはプレートが入っていて無理はダメなんですよ。だから最初は腰も使えなかったの。だから卓球は手打ちだけしていたんです。
私、スポーツが全てではないと思うんですよ。スポーツをすることで、あ、自分こんなこともできるんやな、というある種のスタートラインにつくことはできる。それが自分の場合、卓球だっただけなんです。そして、卓球をしているといろんな人がやってくる、屋内だから寒くても暑くても人は来てくれる。だから私はそういうところで発信していきたいんですよね、だから卓球をすることで、いろんな人が集まって、いろんな意見交換の場になったり、そういう場に私は背中を押したい。私に残されたのは卓球だけだった。シッティングバレーなども挑戦してみたかったが、金具のことが心配だったし、あんまり激しい動きはできなかった。
だから卓球は、やろうと思ってやったわけではないけれど、やってみると奥深いなあと思います。
そして、今私は、日本ではなく世界の魅力にとりつかれちゃって。もうなんかみんな優しんですよね、ブラシルの人も皆ね、私のことを「バタフライ」とか、スウェーデンでは「バタフライマダム」とか「別所キミヱ」とか。外国人でキミヱと言いにくい人には「キミ」でいいよとか。それで話のネタ、コミュニケーションのきっかけになる。みんな優しいの。車椅子で坂を登ろうとしたら何も言わずに押してくれる。日本もそんな風になった方がいい、何ヶ国語喋れるとかではなくて、身振り素振りで伝わるから、私は、英語の勉強するくらいなら卓球がしたいからね。
 もえこ国際化が重視されているなかで、言語ではなく気持ちの方を大切にすることが、本当に人と人とを繋ぐことなのですね…(話の奥が深い…タメになる…)

超絶乙女なプロ卓球選手

バタフライマダムとは、蝶とフリルとレースが好きな可愛らしい女性であることを再確認するとともに、卓球に対する熱い想い持つ選手であるを知ることができました。そして人との繋がりを重視するマダムの生き方は美しく、素直にカッコいいと思いました。

そして、マダム自身、とても気さくな方でしたので、お話をしていて、とても楽しかったです。

こんな事もありました。

 カメラマンさんそれでは写真を撮るので思いっきり、くっついちゃいましょー!

(肩を組んで密着するマダムと私)

 マダムあ、これ、頭の蝶々が刺さって痛いわ〜

(一同、大爆笑)

 もえこええ〜蝶々可愛いですね!いいな〜
 マダムこの車椅子のサイドもシールを貼ってデコレーションしたのよ。スロヴァキアで買ったシールあるけど、いる?
 もえこえ!欲しいです!

(白い蝶々のシールを携帯に貼っていただきました!これは確実に幸運が舞い込んできそうです。大事にします!ありがとうございます!!)

そんな素敵な、別所キミヱ選手を見て、こんな事を思いました。

『バタフライエフェクト』、蝶の羽ばたきが遠い地で竜巻を起こすこと。

可愛らしくも強さのあるバタフライマダムの羽ばたきは、東京2020大会だけでなく、今後パラスポーツ界全体を盛り上げるとともに世界中に大きな流れを生み出すことでしょう。